旅を栖とす



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安田登さんの「異界を旅する能 ワキという存在」という本が今ドンピシャで、私の中のいろんなキーワードにつながった。
能のワキの話を中心に、いろいろ解説してくれる。能をほとんど知らない私でも気軽に読めるし、これは現代にもつながる話だなあと思う。(実際安田さんも現代に沿って例えを出してくれるから分かりやすい)

能のワキはものすごい体験を経て、異界と出会う。壮絶なる人生からワキ的存在になる人もいるが、それ以外でもワキ的世界に生きる人もいる。
彼らの共通点は、出世を望めない、無力な人間であること。定住していても、精神が常に漂泊を続ける人であることなど。

おおざっぱにまとめると、多分それは私が好きな人に当てはまる。あえてそのレールから外れ、自分の好きなことをやる。好きなことをしていても、悩みはなくならない。だけど、それをも受け入れて人生の旅路に出る。(誤解を恐れず、私の解釈を披露すると、こんな感じ)
かの有名な松尾芭蕉もそうだった。実際に旅したのはわずか3年ほどらしい。
出生から世の日の目を浴びることができず、ただのフリーターで終わらせないよう「プロの俳諧師」としての地位を確立させたという松尾芭蕉。自らを「乞食」と呼び、人々に食べ物などを「こう(恋う、ものすごく欲する)」生活をする。

芭蕉にならい、能のワキ的世界を生きてみる。手当たり次第に17音にしてみたり、こうやって文章を書いたりしてみよう。